• リモート葬儀だけじゃない。コロナ禍でデジタル化が加速!

    リモート葬儀だけじゃない。コロナ禍でデジタル化が加速!

    これまでの当たり前が当たり前じゃなくなったコロナ禍。人と面と向かい合って話をしたり、同じものを共有して使うことはできなくなりました。この影響で、人が集まる場所は閉鎖され、イベントは中止に追い込まれています。こうした流れは葬儀にも影響を与えています。この状況下で葬儀業界で注目を集めているのがリモート葬儀など、葬儀にまつわるデジタル化。葬祭業界におけるデジタル化の推進を確認してみましょう。

    潜在的にあったデジタル化の流れ

    新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、注目を集めるようになったリモート葬儀。密を避けられることから、感染から身を守るために取り入れられるようになっています。しかし、葬祭業界においても他の業種同様、デジタル化の流れはコロナ禍以前からありました。とはいえ、なかなか業界全体に普及していくことはなかったために、コロナ禍以後に急速に注目を集めるようになったと考えられます。

    アナログな作業と小規模な事業者が多いことがネックに

    葬祭業は、もともとアナログな作業の積み重ねの上に成り立っています。小規模な事業者も多く、デジタル化の案はあってもそれを実現に繋げる余力のあるところが少ないこともデジタル化が進まなかった一因と考えられます。

    また、人の死と向き合う厳しさが求められる葬祭業界は、若い人材が飛び込みづらく、実際、50代、60代の人たちが中心となって業界を引っ張っています。本来であれば、多様な世代が連携して働くことでビジネスツールも新しいものへ移行していくもの。こうした点もデジタル化が進まなかった原因と言えそうです。

    コロナ禍以前からあったデジタル化に向かうツール

    業界内の一部にしか普及していなかったものの、コロナ禍前からさまざまなデジタルツールが発表されていました。

    例えば、訃報案内をスマホを利用し、SNSなどを使って行うシステム。web上で出欠の確認ができ、集計したデータを利用してそのまま出欠のリストが作成できます。参列者も当日受付でスマホをかざすだけで記帳ができるようになっています。数社が同じようなシステムを構築しているため、多少の違いはありますが、献花や弔辞を送ったり、お香典も電子決済で送れる機能を備えたシステムもあります。

    ロボットによる読経もゆくゆくは実現されそうなアイデアです。現在はまだロボットにお経を読んでもらうことに抵抗がある人が多いので、実際の葬儀の場で行われてはいませんが、コロナ禍によって強制的に変化するこの状況を見れば、どんなアイデアが現実になってもおかしくありません。すでに僧侶の読経をリモートで行う葬儀は現実に催されています。となると、ロボット僧侶が誕生する未来も、「あり」なのかもしれません。

    デジタル化は、企業側には移行する手間がありますが、データの管理が簡単になるなど、合理化につながります。また、利用者の利便性も上がり、遺族や列席者など、故人と関わる人の心の負担も減らすことにつながります。

    現状の葬儀の形とコロナ禍の影響

    日本は、少子高齢化社会に突入しています。この社会構造から葬儀は年々増えていくばかり。そういう意味で葬祭業界は、安定した産業といえます。

    こうした社会状況ですが、葬儀に関する意識の変化は、簡素化、縮小化する方向に動いています。一方で、葬儀に「自分らしさ」を演出することを求める人たちも増えていて、生前葬や生前に本人が葬儀を予約するといった形も増えています。

    コロナで進むデジタル化、一部で昔ながらに参列したがる人も

    コロナ禍は、社会情勢からの葬儀の簡素化・縮小化の流れを後押しする形となりました。コロナ禍真っ最中の現在は、家族葬が主流となり、その家族ですら遠方に住んでいる場合は、リモートでの参列が増えています。当然、友人や知人はリモート参列が当たり前、もしくは葬儀が終わった後にお知らせが来て、亡くなったことを後で知るといった場合もあります。こうした状況から、リモート葬儀が注目を集め、あっという間に広まったことがわかります。

    その一方で、感染対策を施しながら、参列者を迎える葬儀を実施する人も少なくありません。旅立つ人の人生最期の時を見守って欲しいと願う遺族の気持ちは、当然といえば当然かもしれません。とはいえコロナ禍でも通常通りの葬儀が行われると、参列しようと考える列席者はたくさんいます。そこで感染対策としてデジタルツールの活用が始まったのです。アナログなままでは対応できない状況でしたが、追い詰められたことが返って功を奏する結果となりました。

    参列者を減らし密を避けるツールに注目

    参列者が最も密になりやすいのが受付の記帳です。受付に並び、芳名帳に名前を書き、お香典を渡す。どのタイミングをとっても人との関わりが避けられません。時間帯によっては一度に多くの人が訪れ、密が避けられないことになる可能性があります。また、コロナ禍では、ボールペンや筆ペンを共有することは避けたい行為のひとつです。

    こうした状況への感染対策として調法がられているのが、先ほどご紹介した訃報案内をスマホを使い、SNSなどでお知らせするwebシステムです。参列者のリストを作り、お香典を管理し、香典の金額にあった返戻品が選べます。また、全てのデータをリスト化。法要などのお知らせにも利用できるようになります。こうしたシステムは、さまざまな企業で作られ、それぞれが広まっているのが現状ですので、自分たちが使いやすいものを選ぶことも必要です。

    PCの画面越しやドライブスルーなど参列スタイルもさまざま

    リモート葬儀は、Web会議ツールである「ZOOM」を活用したり、リアルタイム配信が可能な「YouTube」が使用されています。列席者は、葬儀が行われている様子が流れる画面越しに参列します。ご焼香などはできませんが、今できる最大限の形で送り出したいという気持ちは伝わります。

    また、デジタル化とは少し違いますが、コロナ禍の影響で長時間立ったり、長く歩けない高齢者に向けたサービスだったドライブスルー葬儀も注目されるようになりました。車で来場し、車から降りずに受付をしてお香典を渡したり、ご焼香したりといった一連の儀式が行えるスタイルです。登場した当初は、車から降りずに全てを行うことは失礼だといった意見もあり、賛否両論でしたが、今となっては人を避けるコロナ禍にぴったりの参列スタイルとして、需要が増えています。

    アフターコロナもさらに進むことが予測されるデジタル化

    コロナ禍の騒ぎと同時に進んだ葬祭業界のデジタル化。ワクチンの接種がすすんでも、コロナウイルスは変異株などの出現もあり、この先の状況は読めません。数年間はコロナの影響が残るといった予測もあります。また、一度進んだデジタル化は、たとえコロナ禍が終わっても、後戻りすることはありません。同時に葬儀のスタイルは変わっても、葬儀自体がなくなることはありません。デジタル化が進めば、若い人材も入りやすくなる可能性もあります。相乗効果で葬祭業界のデジタル化は、さらにすすんでいくと考えられます。