• 葬祭業界には追い風? コロナ禍における転職事情を探る

    葬祭業界には追い風? コロナ禍における転職事情を探る

    コロナ禍の今、否応なく企業の勢力図が変わり、失業者も増加の一途をたどっています。2021年3月現在には、180万人の完全失業者がいることが発表されました

    一方で、オンラインで完結する事業が中心の企業などは上昇傾向にあり、対照的な結果となっています。このような状況下で、働く人たちの仕事に対する価値観にも変化が起きていて、転職活動に翳りは見えません。コロナ禍でも動き続ける転職事情を探ってみましょう。

    コロナ禍だからこそ?! 転職希望者に見える価値観の変化

    失業者の多さが取り沙汰されていますが、現状、就職・転職活動をしているのは、解雇などによって仕事を失った人たちばかりではありません。これまで同様、正社員の仕事を持ちながら、転職先を探している人たちがいます。

    とはいえ、その理由はステップアップなどチャレンジ精神からくる前向きなものばかりではなく、コロナ禍の影響を受けて仕事に対する価値観が変化し、その価値観に合う仕事を探して活動をしている人もたくさんいます。どんな理由で転職活動を行なっているのか、株式会社リクルートが行ったアンケートから紐解いてみましょう。

    コロナ禍の影響を受けて転職を考えた人が6割

    2021年4月に発表された株式会社リクルートが実施したアンケート結果(※)によると、転職を考えたきっかけがコロナとの関連にあると答えた人が63.5%に上ったことが報告されています。

     

    新型コロナに関連する回答を多い順に並べると、「新型コロナの環境下での会社の戦略や方向性に不安を感じたため転職を検討した」が35.1%、「新型コロナの影響で、よりやりがいのある仕事をしたいと思ったため、転職を検討した」が26.7%、「新型コロナの影響で、職場の風土や人間関係を見つめ直して、転職を検討した」が25.8%、「新型コロナの影響によって、テレワークなどの柔軟な働き方を希望するため、転職を検討した」が17.0%、「新型コロナの影響で収入が減ったため、転職を検討した」が11.8%となっています。

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    パンデミックの中、倒産までは行かなくても、屋台骨を揺るがされている企業は少なくありません。働く人たちも改めてその企業の在り方を問い、冷静に見つめ、考えています。

     

    一方でこうした環境下で仕事をする以上、よりやりがいや自身にとってのメリットを重視する考えも育っています。自分と仕事の関係を今一度、深く考えて仕事を選ぼうとして転職に踏み切る人が増えているようです。

    仕事内容、収入、働き方など自分の未来にリンクする仕事選びを重視

    コロナの影響を受けて転職を考えた人が6割を超えるなか、応募先を選ぶときに何を重視しているのかも確認してみましょう。

     

    最も多いのは、「やりたいことを仕事にできる」で56.3%。半数を超える人が選択しています。他にも、「自分の資格や能力を活かせる」23.8%や「社内外で自身の将来的なステップアップを期待できる」17.4%といった選択も2割前後の人が選んでいて、仕事で自己実現することを重視していることがわかります。

     

    一方で、企業の将来性や収入面を重視する回答として、「将来的に年収が上がる見込みがある」が49.3%、「給料水準が高い」が47.1%、「残業があっても、その分の給料をもらえる」が36.1%、「長期間の雇用が保障されている」が23.1%、「将来的な企業の成長を見込める」が19.1%などが選ばれています。コロナ禍による厳しい淘汰を目の当たりにした結果、企業を見る目がより厳しくなっていると言えそうです。

     

    また、働く環境へのチェックも厳しくなっています。「プライベートの時間を十分に確保できる」が37.9%、「良好な人間関係を築ける」が26.8%、「給料とは別の福利厚生が充実している」が26.7%、「働く場所(転職の有無も含む)」が24.2%、「残業がない」が22.3%、「自分が働きたいだけ働ける」が19.3%、「オフィス環境に満足できる」が16.2%と、それぞれが感じる働きやすさを反映した選択肢が多く選ばれています。

     

    こうした結果から、転職先に求めるものとして、仕事のやりがいや企業の将来性、働く時間に見合った報酬、より良い働く環境といったものがこれまで以上に重要視されるようになっていることがわかります。

     

    コロナ禍での転職活動者動向 新型コロナウイルスの影響を受けた人は63.5% 仕事選びは「やりたいことを仕事にできる」を最も重視 転職活動者の意識・動向調査(2021)
    対象者:全国の20歳〜59歳の正社員で現在具体的な転職活動を行なっている人1040名
    期間:2021年3月23日(火)〜26日(金)
    法方:インターネット調査

    売り手市場から完全に買い手市場に移行

    コロナ禍前までの就職・転職市場は、働き手より求人が多い売り手市場でした。しかし、1年以上続くコロナ禍の影響を受けて、今や市場は完全に買い手市場です。

    特に新型コロナウイルス感染症の影響で打撃を受けているのが、飲食業やエンタメ、旅行業、実店舗による販売業など。規模の小さい店舗や体力のない企業は閉店、倒産といった事態に陥るところも多く、従業員たちは失業の憂き目にあっています。体力のある企業では、持続することを目的に、業態転換、業種転換に踏み切るところも出てきています。こうしたケースでは、雇用は守られても職種にこだわりがあった人にとっては、継続が難しくなる場合があります。

    一方で家庭内で利用が多い製品の製造に関わる企業や、IT業界やWEB業界などオンラインで完結する事業が中心の業界などは、現状維持から上昇傾向にあり、求人に力を入れている企業も少なくありません。医療系の募集は大きく動いていますが、コロナ禍の過酷さから医療業界を離れ、キャリアチェンジを図っている人も少なくないのが現状です。

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    元気な業界・企業が求める人材は経験者

    事業を拡大している企業は、その状況から業界経験者や職種経験者など、即戦力を求めています。この機を逃さず企業として成長していくためです。

    もちろん、経営戦略から考えられた採用計画の中で将来の企業の担い手などもリストアップされていますが、それは企業の経営プランの中でのものです。現状、コロナ禍を逆手に取って成長を狙う企業は即戦力を求めるため、新卒や経験の浅い第二新卒といった人材が不利な状況に甘んじているようです。

    葬祭業界の狙い目はキャリアチェンジを考える人材と新卒

    コロナ禍でも転職を希望する人は、減ってはいません。また、失業者も増えている今、常に人手不足に見舞われている葬祭業界にとっては、人材を確保するチャンスかもしれません。特に葬祭業は、社会貢献度の高い仕事です。特殊な技術や最期を見送るための心構えなどが必要ですが、そこをクリアすれば大きなやりがいも感じられます。葬儀が行われるのがほとんど昼間であることを考えても、働く環境としては優良といえます。

    募集企業に求めるものの選択肢として選ばれていた多くの内容に、葬祭業は当てはまります。より良い環境を作り、この機会を逃さず採用活動に力を入れていきたいところです。

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    まずはキャリアチェンジを考える中堅を狙おう

    狙い目は、これまで経験してきた業界・業種から大きくキャリアチェンジを図ろうとしている人たち。医療従事者などは、業界として重なる部分があるため、最適かもしれません。そういった方達に、仕事のやりがいや社会的な貢献度の高さ、働く環境の良さをアピールすると、天職のような出会いになるかもしれません。

    企業の将来を担う新卒や第二新卒を積極採用

    コロナの収束が見込めないため、新卒の採用を見送る企業も多くあります。また、即戦力の経験者を望む企業が多い今、企業の未来を託すより優秀な若手を採用するチャンスでもあります。新卒や経験の浅い第二新卒といった人材は、経験や知識がない分、自社の文化から丁寧に教えていくことで成長が見込める人材です。将来を託す社員として、しっかり教育したいところです。

    買い手市場の今、より優秀な人材を採用するチャンスです。採用活動や人材の育成について今一度しっかり考え直して、この機会により優秀な人材の獲得を目指してみてはいかがでしょうか?